屋久島は、平成5年(1993年)12月11日に白神山地とともに日本で初めて世界自然遺産に登録されました。
世界自然遺産の評価基準のうち、自然景観と生態系の2つの項目で評価されました。
日本の世界自然遺産の中で自然景観が評価された地域は屋久島のみです。
自然景観
世界的にも稀な樹齢数千年のヤクスギを含む原生的な天然林が存在し、小さな島に生物学の分野や自然美の観点から非常に価値がある。
生態系
2,000m近い高山を含む島嶼生態系で、温暖帯地域の原生的な天然林が海岸線から山頂部まで連続で分布していて、自然科学の分野で非常に重要である。
area of world natural heritage世界自然遺産のエリア
屋久島は、ほぼ円形の島で約504km2という小さな島でありながら標高1,936mの宮之浦岳を筆頭に山岳がそびえ立ち、山岳部から海岸線まで大きな標高差があるのが特徴です。
温暖多雨の気候で、平地部の降水量は年間約4,000mm、山岳部では年間10,000mmを超える場所もあり、多量の雨で多数の河川が深い谷をつくっています。この厳しい環境と多様な地形が特異な生態系と美しい自然景観を生み出しています。
海岸付近のガジュマル等の亜熱帯植物から、タブ、シイ等の暖帯、モミ、スギ等の温帯、更にヤクザサ、ヤクシマシャクナゲ等の亜高山帯に及ぶ植生の垂直分布が見られ、多くの固有種、北限・南限種の植物が自生している特異な生態系を構成しています。
特に注目すべきは、島内に広がる原生的な天然林です。古いものでは樹齢数千年にも及ぶヤクスギを含むこの林は、豊かな苔の風景と共に、圧倒的な自然美をもっています。
屋久島の自然環境は、保護された生態系と美しい風景を求める多くの人々にとって、訪れる価値がある場所です。
plants & animals屋久島に生息する植物と動物
植物
ヤクシマシャクナゲ
屋久島の1,000m以上に自生するシャクナゲ。5月中旬から6月上旬が見頃。(宮之浦岳、永田岳ルート)
オオゴカヨウオウレン
屋久島の固有種。1月下旬から2月下旬にかけて咲く。(白谷、ヤクスギランドなど)
ヤクシマスミレ
湿った岩や苔の上に育つ。4月から5月が見頃。(白谷、ヤクスギランドなど)
イッスンキンカ
屋久島の固有種。8月から9月が見頃。(宮之浦岳、黒味岳、永田岳ルート)
ヤクシマシオガマ
屋久島の固有種。半寄生植物。9月が見頃。(黒味岳、宮之浦岳ルート)
動物
ヤクシマザル
固有亜種。ホンドザルより体がやや小さく、体毛が長い。(西部林道、ランド線)
ヤクシカ
二ホンジカの亜種。ホンシュウジカより小さく、足が短い。屋久島と口永良部島のみに生息している。(西部林道)
カラスバト
全身が光沢のある黒い羽毛で被われる。国の天然記念物。留鳥。(縄文杉、白谷、ヤクスギランド、西部林道など)
ズアカアオバト
尺八のような鳴き声。全体的にオリーブ色。留鳥。(縄文杉、白谷、ヤクスギランド、西部林道など)
environmental conservation activities環境保全活動について
屋久島観光協会のガイド部会は、環境保全に力を入れ、山岳エリアでの保全活動を精力的に行っています。
当協会は、トイレ清掃、避難小屋の清掃、携帯トイレブースの清掃などを通じて、訪れる観光客に美しい自然環境を提供するために尽力しています。また、登山道整備や台風後の倒木の除去も行い、安全かつ快適な自然体験を確保しています。
地元コミュニティと協力し、持続可能な観光を推進し、豊かな自然環境を未来世代に引き継ぐことに貢献しています。
let's go around!世界自然遺産を巡ろう!
世界自然遺産エリア内のスポット情報をご紹介。
屋久島の自然の魅力を体感しよう。